2012年12月21日金曜日

ベトナム工場のコストが必ずしも中国より安いとは言えない


中国の沿岸地域の労働者の賃金は10年間で、毎年2桁上昇して来た。
内陸地も同様な現象が起きつつあり、沿岸地域の賃金と同様の現象が起こるのは
時間の問題だろう。ベトナムの賃金は中国の半分、ミャンマーは5分の一だ。
--『中国ビジネス』2012年12月号


賃金だけ見ると、こうした地域は魅力的だ。だたし、賃金は総費用の一部でしかない。
中国のアジアの他の低開発地域との違いは、彼等よりも進んだインフラがあり、
サプライチェーンが確立しているし、フォックスコンのように大規模な工場があることだ。
そのため数時間で、数千人単位の需給の変化にも迅速に対応出来る。

そうすれば直接、日本や台湾の企業が工場を管理する事無く、現地の企業に委託する
ことができる。こうした委託は中国だから可能なのであり、ベトナムではそうした
スキルを持ってまかせることができる従業員は皆無だ。

また、ベトナムにはそれどころかまだ管理する人材が殆どいない。そのため、日本
からマネージャーを何十人もつれて来ている企業がある。そうなると日本人の費用は
ベトナム人のコストの100倍ぐらいかかってしまうからベトナムでの人件費が中国より
安いとは言えなくなってしまう。中国人人材の場合、その弱点はない。

さらにベトナム人は優秀で勤勉だが、目を離すと仕事をきちんとしないようだ。
また、10個はスペック通りに出来るのだが100個、1000個となると品質が安定しない。
20年前の中国だ。そのように見てくるとベトナムの人件費が中国の半分だからといって、
ベトナムの工場のコストが中国よりも安いとは必ずしも言えない。

by AM

2012年12月4日火曜日

「差不多」という言葉御存知ですか


今の中国では商談や投資話の席で頻繁に「差不多」という言葉が出ます。
これは、「俺とお前の食い違いは些細なことだ。基本的な部分はあっている
ので前に進もう」というニュアンスです。
--『中国ビジネス』2012年11月号



これで、ビジネスは基本的な部分は「可行」(カアシング)すなわちGO!となり、
わが国ならば、すり合わせで時間が掛かるところを一瞬で通り越します。
この良く出る言葉、一昔前は「馬馬虎虎」(マアマアフウフウ)でした。
いい加減に、のんびりとなどの意味でフアジイな面だけが、強調された言葉でした。

その後、その言葉は「没問題」(メイウエンテイ)となり、意味は漢字の通り、
「問題がない」ですが、デメリットは目をつむっちゃいましょうのニュアンスも多少
ありました。これが、なぜ今は、「差不多」か?と言うとそれだけビジネスチャンス
が巡ってきたということです。

そのビジネスチャンスは、中国が世界経済の中で発展の階段のちょうど真ん中
にいるからだと私は思っています。真ん中ということは、遅れている国の安価な
労働力を活用できるという面と、発展の階段の進みすぎた国の経験則のいい
面だけを真似、悪い面は反面教師として避けることが出来るということを示します。
且つ中国人人材も、アジア範囲内のみならず、世界的にも必要な人材になっています。

この経済発展の階段の中腹を猛スピードで上がっているというのが私の中国に
対するイメージです。当然、この猛スピードには副作用もあります。しかし、その
副作用の側面だけを見て、中国の経済が崩壊するように言う人は、
中国の真の姿が全く見えていないと思います。

by TF