2011年10月13日木曜日

残業代なし、食事・トイレは許可制、紛失商品は原価で賠償…グッチ元従業員が就業環境を暴露―中国

Record China 10月12日(水)14時52分配信

2011年10月11日、イタリアの高級ブランド・グッチが中国に出店するアジア太平洋地区最大の旗艦店に勤務していた元従業員らが、理不尽な就業環境について同社の経営者層に公開書簡を突きつけたとして話題になっている。中国国営通信・新華社の報道。

このほどインターネット上に公開されたという「集団辞職に踏み切ったグッチの元従業員が最高管理者層に宛てた一通の公開書簡」は、今年8月に広東省深セン市のグッチ旗艦店を辞職した5人によるもの。現在この件について、深セン市の労働監察部門に訴え出ているという。深セン市羅湖区人力資源局の関係者は「この件については立案調査中」と認めながら、詳細については明かしていない。また、グッチの中国地区でのPRを担当する責任者は、数日内に何らかの対応をする旨を明らかにしている。

さて、書簡内で触れられている内容についてだが、5人は同社に勤めていた当時、かなり多くの就業規則に縛られていた。中には理不尽なものも含まれている。 10数時間に及ぶ立ち仕事を課され、水や食事の摂取、お手洗いの利用が許可制になっていたり、商品の棚卸しなどで深夜まで就業しても一度も残業代が支給さ れなかったり、さらには、店内の商品が紛失した場合は店員全員の連帯責任として、その小売価格相当を給与から天引きされたりといった内容だ。

彼らが今回の訴えで主に求めているのは残業代の支払いだというが、記事によると、実は中国の複数の都市で、グッチの元従業員による残業代の支払い請求は過去にも幾度もあったという。(翻訳・編集/愛玉)


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理不尽な就業規則、か。
通常、デパートなどでもトイレや食事休憩は許可制のはずだ。
商品を汚さないため、また、商品にたばこや食品のにおいを付けないためにも当然のことと言えるし、店内に一定数の従業員が常在するよう、セキュリティの面でも必要なことと言えよう。

シンガポールや香港などの個人でやっているようなお店では、従業員と言うか店番をしている人が、あまりお客さんのいない時間に打包で買ってきたご飯をレジのところで食べている様子をしばしば見かける。商品ににおいがつくことは気にならないのか、油のついたレンゲを持っていた手でお客さんが買う服を触るのか、と見ている方がハラハラするが、チャイニーズ圏ではそれが普通とは言わないまでも、未だに行われていることは確かだ。

だからつまり、高級ブランド店の従業員として、ローカルの個人商店と同じ感覚で仕事をされるわけにはいかないのだ。そのためにも就業規則がある。

残業代未払いについては、残業代の全額支払いが就業規則に明記されているのであれば会社側に問題があるだろう。
しかし就業規則に、「10時間以上必ず立ったままで仕事をしなくてはいけない。」という趣旨の決まりがあるのか、と言えば甚だ疑問だ。

また、店内の商品が紛失した場合は連帯責任で給料天引き云々の規則があるというが、そんなに万引きが常時行われるのだろうか。
DFSなどでは多くの商品は棚の上で、そこから手にとって見る動作は非常に目立つ。店員はそのような動きをしっかりマークしていることが業務の一部であると言えよう。
また、バッグなど高価な商品にはチェーンがついていて、ある程度手に取ったり肩にかけたりする動作はできても、外さなければ盗み出せない仕組みになっているブランド店舗もある。
財布などの小物もケースを開けて取り出して見せる陳列にすれば、犯罪は防ぎやすい。
店側のセキュリティが万全であれば、連帯責任での弁償もそうそう頻繁には起こらない筈だ。寧ろ疑われるのは内部の犯行かもしれない。

残業未払いについて以外は、一概にグッチを責めるわけにもいかないように感じられる。

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by お

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