2011年10月13日木曜日

中国人客の誘致、受け入れに全力 南米の観光業界

2011.10.04 Tue posted at: 18:15 JST

ブエノスアイレス(CNN) 海外旅行熱が高まる中国で、南米に関心を持つ観光客も増加している。これを受けてアルゼンチン、ブラジルなど南米の観光業界は、中国人旅行者を誘致し、受け入れるための態勢作りに全力を挙げている。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレス出身のマリア・ホセ・マルティネス・ワルドネルさんは、数年前に思い立って中国語を習い始めた。昨年には奨学金を獲得して中国に滞在し、スキルに磨きをかけた。現在はそこで得た語学力と知識を生かし、同市内のパーク・タワー・ホテルで中国人宿泊客への対応を担当している。

「ホテルに中国語を話す者がいることがお客様には意外らしく、どこで習ったのか、中国へ行ったのか、また訪れたいと思うか、と質問を受ける。そのような言葉をいただけるのは素晴らしいこと」と、ワルドネルさんは話す。南米の観光業界では今、こうしたキャリアを目指す人が増えているようだ。

新華社通信によれば、中国からは今年、約6000万人が海外旅行に出かける。旅行社などの予測によると、その数は2015年までに1億人に達する見通しだ。初めての海外旅行先としてはアジア諸国のほか、欧州や米国を選ぶ客が多い。だが南米の活気ある文化や美しい景観にひかれるという声も目立っている。

ブエノスアイレスで2000年から中国人観光客を受け入れている旅行業者、グスタボ・コウダネスさんは「人気が集中するのは氷河やクジラ、ペンギンが見られるパタゴニア、アルゼンチンとブラジルにまたがるイグアス滝、ペルーのマチュピチュなど、中国には決してないような場所だ」と話す。

在ブエノスアイレスの中国大使館によると、中国人が過去3年間にアルゼンチンで費やした資金は150億ドル、南米全体では数千億ドルに上る。農業や鉱業、エネルギー業界への投資が大きいが、観光による消費も急増している。

大型ホテルチェーン、スターウッド・ホテルの南米部門によると、中国人観光客の数は過去1年間にメキシコ市のシェラトンホテルで364%、ブエノスアイレスのパーク・タワー・ホテルで260%と、軒並み大幅な増加率を示した。

スターウッドでは最近、世界19都市の店舗で客室に室内履きや急須を備えたり、中国語の放送や新聞を用意したりするなど、中国人客向けのプランを開始した。ホテル内のレストランには中国語メニューをそろえ、中国人の好みに合わせて麺類やお粥、豆乳を使った料理も提供する。ヒルトン・ホテルも最近、13カ国の50店舗で同様の「歓迎(ホアンイン)」プランを始めている。

中国人客への対応に力を入れるのはホテルだけではない。アエロメヒコ航空は昨年から、メキシコ市と上海を結ぶ便を週2回運航している。ブラジルは14年のサッカー・ワールドカップ(W杯)、16年のリオデジャネイロ五輪に向け、中国に観光客誘致の派遣団を送っている。ブエノスアイレスでは最近、タンゴショーやステーキハウスのメニューに中国語の表記が導入された。

コウダネスさんは中国人客の急増を受け、北京と上海に新たな事務所を開設した。中国と南米の間には文化、習慣に大きな違いがあることを、改めて認識する日々だという。「皆さんに喜んでもらうために私たちがどう合わせていけばいいか。そこを把握するには時間がかかる」と話している。

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南米も中国人観光客の受け入れに本腰を入れてきそうだ。
各地でショーやレストランのメニューが中国語翻訳スペイン語翻訳ポルトガル語翻訳されているという。
各ホテルも中国人客向けのサービスを充実させることに余念がない。
南米が日本の新たなライバルとなるのか。
中国人観光客に関心を持ってもらえるよう日本はさらなる努力が必要となりそうだ。

By MT

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